出張でニューヨークに来た商社マンが、女が欲しくなった。
友人に相談したところ、地下鉄に乗って四十二丁目で降り、
最初に微笑みかけてきた女と交渉すればいいと教えられた。
さっそく地下鉄で出かけたが、路線が複雑で頭が混乱し、七十二丁目で降りてしまった。
キャンディストアのところで女が一人微笑みかけてきたので交渉すると、
うまくまとまって女のアパートのベッドに落ち着いた。
二人で楽しんでいると突然、ドアの外で足音がした。
「急いで!」
女が声をひそめて叫んだ。
「うちの人よ! あなた、時計の修理に来たことにするのよ」
商社マンが椅子に乗って、寝室の時計をいじくりまわしているところへ夫が入って来た。
「誰だ、あれは?」
「時計の修理に来ただけよ、あなた」
女に調子を合わせようと、商社マンは時計の針を回して時計をボンボンと鳴らしておいてから、
弱々しい笑みを浮かべて夫の方へ振り向いた。
「このとんちき野郎め」
と夫が言った。
「俺は四十二丁目と言ったんだぞ!」
どうも海外ジョークだけあってシモネタが多い。