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『 き ん た ろ う 』
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むかし、むかし、足柄山というところに、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
2人の間には、きき太郎という子供がいました。
力の強い、腕白な子でしたが、少々乱暴者なのが玉に傷でした。暴れ出すと、マサカリを振り回すので手がつけられなかったのです。
ある日、きき太郎は一匹の、それはそれは大きな熊に出会いました。
相撲を取って、負けた方が家来になるという約束でした。
「はっけよーい。のこったのこった。」
しかし、そこはきき太郎です。
隠していたマサカリをレフリーの見えないところで熊に振りかざし、熊をこてんぱにやっつけます。
妙に律儀な熊はそこできき太郎の家来になることを決めたのです。