そこには一人、ただの村人がいた。
ただの村人は話を、子供に聞かせていた。
何の話と子供は問いかけ、ちょっとした御伽噺と答えた。
その村人は、誰なのかはわからない。
ただ、思い出すように口を開く。
昔々あるところに、小さな小さな村がありました。
みんなが平和に平凡に暮らしていましたが、ある日人狼が出るという噂が流れました。
なんと人狼は夜な夜な人間を食べてしまうというのです。
村人たちは半信半疑ながらも村はずれの集会場に集まり、話し合いを始めるのでした。
その村には、人狼が3人、占い師が1人、霊能者が3人、共有者が1人、狂信者が2人、中身占い師が1人、神話マニアが2人いるようです。
と。そして、また口開く。
夜が訪れました。
村人たちは自分の家に閉じこもり、無事に朝が訪れることを祈っています。
その御伽噺は、今始まりを迎えた。