時に宇宙暦3352年、狂人を望み希んだはずのヘレナは、何故か死者が人狼かどうかを見分ける霊能力を手に入れ、微妙に凹んでいた。
何故、わたしは村側なのだろう。
だからといって何かまずいわけでもなく、別に世界が間違っているとも思わないヘレナは、仕方なく霊能者という身分に甘んじた。
確定すれば喰われ、確定しなければ吊られる。
まるで役に立たないような立つような。
………わたしは役に立ってみせる!
そう決意したヘレナは、ゆったりと流れる時の中で夜明けを待つのだった。無論、待ったからといってさっさと夜が明けてくれるわけでもない。人狼は策戦を速やかにきめてダグラスを襲撃しなさい、と思うが、囁きが増えるばかりで時間一杯を迎えたのである。
さて、夜が明けた。
【わたしは霊能者だ】