指先が汚れること。
あなたの結晶は道化をおびて。
サファイアのうみで溺れるまで。
私の骨がぎらぎらと。
耐えてゆがめた眉ですら。
背後の亡骸に気づかなければいい。
トワイライトは幻想でまたたく。
光の液体に呑まれていく。
世界の果てできみが踏まれるまで。
透明な罪にしなだれて。
客観の噛みあと。
きみを殺す言葉を持っている。
おぞましさを乞う。
白がかくさないもの。
ふりかえると雨の降る。
廃棄された朝日が照らす、
まえを見据えるまつげの脆さ。
もの言わぬ美徳。
神をむさぼる。
空間をうめる音の意味。
必要な嘘の数。
白の偽善。
錆ついた自尊心をひるがえし、
何かを求めたすこし前。
かすりもしない傷を乞う。
首もとに深く絡まる誓いのように、
あさましい一体感。
祈るという方法を知らない子だったので、
鉄のかたまりに安堵したのだ。
神さまのとなり。
ふさいだ耳から嗚咽。
かけおち、きみとばからしい空想をつれて。
手折る指先。
朝日に眩暈。
なくすことで完成するそれの清さ。
渇望、羨望、侵食、白い空洞がのこる。
もうすこし残酷だったなら。
享受するたびにひからびて。
こんなあたたかさに続きがなければいい。
溢れだした弱さがいつかさよならを知るまで。
諦観の鼓膜をふるわせて。
くだらない青い幻を求めればいいとおもう。
真理とはときにおそろしいものだ。
残像を潰す。
どうかこのつまらない時間さえ。
心中ごっこ。
神よ、拙い僕らはけれどもいったいなにをしでかした?
ゆるがない信念の元で死体はごうごうと眠る。
求めていた痛み。
月光と消える。
ひとり夏葬。
足りないなにかを埋めるように。
多分そろそろ干乾びる。
なぜ人はゆめをみるのか。
きみは冬をこせないね。
かんぺきな孤独のなかで。
蓋のない棺桶を背負ってどこにいくの?
罪悪感さえ夢心地。
背後にじんじんと死体だらけなのだ。
この手がつくりあげたものすべて。
ふかすぎる美術に溺れたら。
たからものの死臭。
これが欲望というのなら。
汚れた体でもいいよ。
獣の遠吠え明日も生きて。
錆びた諸刃はなみだを誘う。
嘲笑がとまらなければいい。
すべての正義へ濁音。
人間の思考はいったいどこまで理想を思いつくのか?