一般的に正露丸の効能は以下の通りである。
下痢、消化不良による下痢、食あたり、はき下し、水あたり、くだり腹、軟便に効能がある。
おもに胃や腸の調子を整える。
歯髄炎による虫歯の痛みにも効能がある。
戦前には結核や虚弱体質などにも効果があるとされ、いわゆる万能薬として用いられていたようである。
しかし、主成分である日局クレオソート(木クレオソート)は歯科領域における鎮痛鎮静や根管の消毒用としてのみ許可されており、下痢等に対する効能は収載されていない。 木クレオソートは強力な殺菌防腐剤であり、高濃度での長時間作用は細胞を破壊し壊死させる性質を持つことから、正露丸の注意書きには「皮膚に付着したらせっけん及び湯を使ってよく洗ってください」と書かれている。歯科で使用する場合にも、誤って粘膜に触れた場合は直ちに洗浄を行うこととなっている。
そのため、正露丸は効能が解明されていない割には副作用の大きい薬であるとされることがある。 実際に腸炎で入院した患者を調べたところ腸の内壁に正露丸が付着し炎症が起こっていたという症例報告もあり、定められた用量を超える服用については注意が必要である。特に感染症に起因する下痢は生体の防御反応であるから、むやみに薬剤で止めようとせず、できるだけ排泄し、充分な水分を摂取することが望ましいとされている。